累計
本日
昨日
詳細は、吉村浩太郎先生の『美容医学への扉』に全てかかれていますので、別途ご参照いただければと思いますが、トレチノイン(以下tRA)は、海外では、にきびや光老化の治療薬として広く使用されています。
脂溶性のトレチノインを水溶性のゲルに溶かしたところに吉村先生のトレチノインの効果の素晴らしさがあると私は考えています。
他社からも多数のトレチノインは私が知る限りは殆ど脂溶性クリームとなっています。その点は実際に東大式のトレチノイン治療を診た事がないと何ともいえないように思います。
tRAの持つ表皮角化細胞の増殖促進、ターンオーバー制御作用、真皮内でのコラーゲン産生促進作用などに基づき、短期的には表皮のresurfacing効果があり、皮脂の分泌を抑え、にきびに対して効果があると共に、他の漂白剤とうまく併用することで、しみなどのメラニン色素性疾患に効果を表します。
長期的には真皮におけるコラーゲンの産生促進を通して皮膚の張りを取り戻し、細かいシワに効果が見られます。
本療法の最大の問題点はtRA外用に伴って生じる皮膚炎です。
0.1%のtRA治療を行うと顔面では通常1-3日後には発赤や落屑が見られ、角質がとれるため、更に薬剤の吸収が高まり炎症症状が進行します。灼熱感を伴う場合もあります。
しかし、こうした皮膚炎症状は、外用を継続していると、徐々に沈静していきます。
炎症を伴う治療の場合、治療に伴う炎症が新たな炎症後色素沈着を引き起こす可能性があることは常に念頭においてください。
米国ではtRA『外用』では催奇形性はありえないと結論付けられ、仮に注意するとしても『妊娠している女性』のみで十分であるとする意見が多いですが、tRA使用中及び使用後2ヶ月程度は避妊を励行するようにしてください。(以上、吉村浩太郎Dr論文より抜粋)
tRAは『皮膚に関わる全てのことを治癒させる』治療法ではありません。しかしながら、特定の皮膚症状に対しては著明な外観上の改善が期待できます。治療の効果を高めるために、ハイドロキノン(以下HQ)、高濃度ビタミンCローション(以下VC)を併用します。併用が行えない方には処方は行いません。
症例
症例1) 肝斑+雀卵斑
トレチノイン治療(頬のシミ)+ ハイドロキノン + 当院高濃度VCローション 使用 + トラネキサム酸 + ビタミンC

