最近,アトピーや何度も繰り返す炎症のあとに起きた色素沈着(炎症後色素沈着)に対して,Qスイッチ付ルビーレーザーを保険診療で照射できないか?という問い合わせが複数件あるので,どこに問い合わせようかと考え,大阪府保険医協会に問い合わせてみました。
元々,レーザー治療の適応は『太田母斑』,『異所性蒙古斑』,『外傷性色素沈着症』,『扁平母斑』等となっています。
ちなみに,Qスイッチ付YAGレーザーしかないのに,保険適応ができる,と書いているクリニックが大阪にもいくつかあるようですが,保険適応が認められているのは,ルビーレーザーとアレキサンドライトレーザーのみであり,YAGレーザーを用いてレーザー治療を受けたのに,保険診療の一部負担金しか支払っていないとしたら,それは不正請求となっている可能性があります。
本来医療機関がそのようなモラルハザードを犯してはなりませんが,もしも新規に購入せず,過去の機材のまま,保険請求をしていたら..。早急に考えを改めて頂きたいものです。
さて,話がそれましたが,外傷性色素沈着といえば,我々の認識では,例えばバイクでこけて擦過傷をつくり,デブリドマン(簡単に言えば砂利の除去ですね)を行ったが,完全には取りきれず,それが残って色が残っている。
そういった場合になりますが,これは明確に「外傷」による色素沈着ですから,まったく問題なくレーザー治療において保険の適応が可能です。
ところが,アトピーなどによる色素沈着は外的要因ではありますが,外傷ではありませんので,悩まれている方にとっては残念なことではありますが,やはりなかなか難しいようです。
以下に,大阪府保険医協会からの回答を掲載しておきます。